最近、0.5~1リットルの小型スキューバダイビング用ボンベがECサイトなどで販売されていますが、必要な検査や届出を行うことなく使用する事は法令違反になるだけでなく、ボンベの爆発や破裂などの危険もありますので注意が必要です。
小型スキューバダイビング用ボンベを使用する危険性
スキューバダイビングに使うボンベは、空気が高い圧力で圧縮されて充填されています。
そのため、適切な検査に合格したボンベに技術基準を遵守して充填しないと、爆発などの生命に関わる重大な事故を起こしてしまう危険性があるのです。
さらに、水中における身体の変化に対する知識不足による障害の危険性もあります。
スキューバダイビングは適切な知識を学んで遊ぶ分には安全なスポーツですが、スキューバダイビングの知識が無い人が軽率に行うと肺の損傷や減圧症などの潜水病を発症してしまう危険性があるのです。
小型スキューバダイビング用ボンベは法令違反なものが多い
スキューバダイビング用のボンベ(及びバルブ)は、高圧ガス保安協会で適切な水圧検査を行って合格の刻印がされたボンベを使用する必要があります。(日本では5年ごとに検査が必要)
容器の色についても、空気を入れる場合には1/2以上の表面積がグレーである必要があり、黄色や赤などの容器には空気を充てんできない事になっています。
また、一定圧力を超えて空気を充填する行為にも都道府県知事への届出が必要ですので、届出をしていない人がボンベに空気の充填を行う行為も違法行為になります。
小型スキューバダイビング用ボンベとして売られている商品に付随するような、手押し型のポンプによる充填行為も法規制の対象です。
これらは高圧ガス保安法で定められており、経済産業省からも刻印等のないスキューバダイビング用タンクの使用についてという注意喚起が出されています。
経済産業省:違法行為になる簡易小型スクーバセットについて(PDF)より
これらの法令は日本国内のものですが、海外にも同様の法律がありますので、小型スキューバボンベを海外で使用する場合には、現地の法令を確認しておく必要があります。
「素潜りやシュノーケリングで使える簡易ボンベ」「手軽にスキューバダイビングが楽しめる」といったうたい文句はとても魅力的ですが、ダイビングは適切な知識と適切な器材を使用するからこそ安全性が確保されているのです。
スキューバダイビングを楽しむなら、きちんとダイビングスクールで講習を受けてCカードを取得し、安全に楽しみましょう。
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この記事を書いた人
- 井上 憲作SNSIダイブガイドを2018年7月に取得。 海より山が好きと公言していたが、2017年ダイビングと出会い「どハマり」し、すっかり海好きになりました(笑)