妊娠初期のダイビングはNG?どんなリスクがあるか考察してみた

公開:2018/1/8723

妊娠中のダイビングは禁忌だと言われるのは何故?まだ妊娠に気づけない、妊娠超初期のダイビングは大丈夫?潜水医学の観点から考察してみましょう。

妊娠発覚後:絶対潜っちゃダメ!

妊娠が発覚するころ=4週から7週は絶対過敏期。赤ちゃんの形成で最も大切な時期です。中枢神経が形成され、心臓や目、手足などの重要な器官が作られます。赤ちゃんとお母さんをつなぐ臓器である胎盤も、7週ころから形成されます。

そんな絶対過敏期だからこそ、薬の影響も受けやすかったりとリスクも高い時期。具体的にどんな影響が考えられるかお伝えします。

気泡が赤ちゃんの組織に直接入ってしまう→奇形児や組織異常?

胎盤は赤ちゃんに栄養を送ったり、酸素と二酸化炭素を交換したりします。仮にお母さんの動脈血に気泡ができ、赤ちゃんの臍帯静脈に送られてしまったら・・・赤ちゃんはまだ肺循環していないので、組織に気泡が直接入ってしまいます。すると奇形児になってしまったり、組織に異常が生じたり、という可能性があるのでは?といわれています。

動物実験では奇形が生まれたという報告がありますが、明らかにダイビングの影響で奇形児が産まれたり、流産してしまったという報告例はほとんどありません。(お母さんの肺胞で気泡がろ過されるので、動物に比べたらリスクも低いのかもしれません。もちろんこんな重大なリスクがある時点で潜らないことをおすすめしますが。)

お母さんが減圧症→高圧治療→赤ちゃん失明?

もしお母さんが減圧症にかかり、高圧治療を受けざるを得ない場合。赤ちゃんは高圧酸素によって網膜症という視力低下、最悪の場合失明するリスクを背負ってしまう可能性がかなり大きいのです。万が一ダイビング中につわりやだるさ、眠気など妊婦特有の症状が出て、安全停止や減圧停止ができないまま浮上してしまったら・・・一生後悔しそう。

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器材セッティングや移動で転倒の可能性→流産?

器材をセッティングしたり、足元が安定しないビーチやボートに移動したり・・・ダイビングには転倒のリスクが付いて回ります。さらに妊娠超初期の症状で身体がうまくうごかないかもしれません。重たい器材を背負った状況で転んでしまった場合、果たして大切な赤ちゃんを守れるのでしょうか。なにかあってからでは遅いのです。

減圧症や転倒のリスクを踏まえると、「浅瀬なら」「シュノーケルなら」という考えも、ハイリスクであることがわかることでしょう。

妊娠発覚前:わからない、だったらやめておいたほうがいい

妊娠発覚前のダイビングがお母さんや赤ちゃんにどんな影響を与えるかは、正直まだわかっていません。というのも、90%以上の方が妊娠初期のダイビングを控えており、検証に必要である十分なデータが揃わないからです。逆にこれはオープンウォーターライセンス取得時に学んだことをきちんと守っているからこそ。このままデータが揃わないほうがいいのかもしれません。

様々な憶測が飛び交っていますが、重要な器官がつくられたり、胎盤ができる絶対過敏期より前なら潜ってもそこまでリスクはないのでは?という意見もあります。

妊娠に気づけなかったならまだしも、妊活中なのであれば母体を冷やさないようにするため & 重大なリスクを引き起こさないためにも、ダイビングはやめておくことをおすすめします。

ちなみに生理中は、地上で問題なく運動ができるようであれば潜ることができますよ。

まとめ:赤ちゃん第一で選択しよう

ダイビングは別の機会にもできます。元気な赤ちゃんが生まれてからでも遅くありません。重大なリスクを認識し、妊活中から潜らないことをおすすめします。

※参考文献・・・新しい潜水医学事故を起こさせないための潜水医学

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SNSIダイブガイド。2018年中にインストラクター予定。 鹿児島の離島、徳之島で晴れの日はクジラとカメを追い、雨の日はWebコンサルティングを行う。

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