ダイビングができない病気や症状を詳しく解説

更新:2020/8/26公開:2018/1/8井上 憲作

スキューバダイビングを始めたい!でも持病があるから不安…。
そんな方に、潜水医学の観点からどんな症状や疾患がある場合に注意が必要かをご紹介します。

この記事の目次

※以下の情報はあくまで参考とし、少しでも不安があれば医師の診断を受けるようにしてください。

ダイビングができない疾患や症状

絶対にダイビングができない病気や症状を「絶対的禁忌(きんき)」と言い、以下の疾患や症状がある場合には絶対にダイビングをしてはいけません。

心疾患

高血圧や動脈硬化性心疾患は絶対的禁忌ではありませんが、ダイビングをする事にリスクがないとも言えないのが実状です。そのため、ダイビングを行う前に医師による診断書の提出を求められるケースがほとんどです。

心疾患の主な絶対的禁忌例
  • 狭心症を伴う心疾患
  • 不整脈を伴う心疾患

肺疾患

肺疾患のなかでも多くの人が患っているぜんそく。以前は絶対的禁忌と言われていましたが、最近では反対・賛成、双方の意見があります。
しかし喘息を患っている場合には、ダイビング前に医師の診断書が求められます。

肺疾患の主な絶対的禁忌例
  • 高炭酸ガス血栓、低酸素血症を伴う肺疾患
  • 多発性肺嚢腫(たはつせいはいのうしゅ・サイストあるいはブラ)
  • 肺気腫
  • エアエンボリズムになった事がある
  • 自然気胸にかかった事がある

中耳・内耳の疾患

ダイビングにおける中耳・内耳の大切な機能は、体内の圧力調整と平衡感覚の維持です。鼓膜に穴が開いた状態の「鼓膜穿孔」だと、この2つともできなくなってしまうため絶対的禁忌なのです。

中耳・内耳の主な絶対的禁忌例
  • 鼓膜穿孔(こまくせんこう・鼓膜に穴が開いた状態)
  • 中耳・内耳の外科手術を行った事がある
  • 中耳・内耳の感染症疾患
  • メニエール病(めまいや難聴、耳の閉そく感などを繰り返す疾患)

ちなみに耳抜きができない場合、ほとんどの場合は病気ではありません。コツを掴んだり事前の準備をきちんとすることで問題なく潜れるでしょう。

精神疾患

ダイビングは自己責任で行うスポーツです。
海の中は常に日差しがあって明るく、穏やかな状態だというわけではありません。どのような環境であっても適切な判断をする事ができないと事故につながってしまう可能性もあるため危険なのです。

精神疾患の主な絶対的禁忌例
  • 精神・情動不安定症

妊娠中

妊娠中のダイビングで母子にどのようなリスクがあるのか、はっきりと解明されていません。
妊婦が減圧症の治療を行うと胎児に影響があるかもしれないなど様々な可能性は言われていますが、ほとんどの方が妊娠初期でダイビングを控えているためデータが揃っていないのです。

器材セッティングの時や船での移動中などに転倒してしまう可能性など「万が一の事」を考え、妊娠が分かった時点でダイビングは控えた方が良いでしょう。

ちなみに生理中は、地上で問題なく運動できる状態であれば潜ることができます。

ダイビング当日の体調不良もダイビングはできません

絶対的禁忌の症状や病歴がなかったとしても、ダイビング当日に以下の症状がある場合はダイビングはできません。
このような症状がある場合にはダイビングを断られます。

  • 発熱
  • 疲労や体のだるさ
  • 飲酒による体調不良
  • 身体のどこかに痛みがある
  • めまいや手足のしびれがある
  • 耳や鼻などがつまっている

ダイビング前日のお酒はやめてしっかりと睡眠をとり、ダイビング当日の体調をベストな状態にしておく事が大切です。
また、花粉症で鼻がつまってしまうという方もいると思いますが、当日の体調をインストラクターと相談して決めましょう。

医師の診断書が必要な疾患

以下のような病気や症状に当てはまる場合はダイビングができるかもしれません。まずは医師と相談しリスクを確認することをおすすめします。

DAN JAPAN(一般財団法人 日本海洋レジャー安全・振興協会)のホームページで、全国の潜水医学を学んでいる医師や自身もダイビングをしている医師を検索するサービスがあります。
かかりつけ医ではダイビングをすることを勧められるかどうか、正しい判定ができない可能性もありますので、ご自身の体調に不安がある方は利用してみてください。

治療や特定条件下でダイビングができる疾患
  • ビタミンあるいは鉄欠乏性貧血
  • 胃・十二指腸潰瘍
  • 慢性胃腸疾患
  • 副鼻腔感染症
  • 耳感染症
  • 四肢骨折など急性骨関節疾患
  • 急性眼感染症疾患
  • 先天性心疾患(卵円孔開存など)
  • 過度な肥満

下記の症状はいままで「一般常識的にダイビングをしてはいけない」と言われてきましたが、これらの持病を抱えながらもダイビングをして問題なかったなどの意見もあります。
実際に症状もピンからキリまでありますし、統計学的に見ると例えば喘息・糖尿病・てんかんが直接の事故原因になった例はないことが明らかになっています。

このような理由から、現在は「一病を患っていても過去の病歴・現在の状態・総合的な健康状態から可否を判断すべきだ」と考えられています。

反対・賛成の様々な意見のある疾患
  • 喘息
  • 糖尿病
  • 動脈硬化性心疾患
  • 高血圧
  • てんかんになったことがある

病気の症状が出ていたり体調不良のままダイビングをすることは、ご自身の生命や今後の人生に関わる重要な部分です。
少しでも不安がある場合にはインストラクターに相談し、状況によってはダイビングを中止するという決断をすることも大切です。

※参考文献:大岩弘典著:新しい潜水医学

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この記事を書いた人

井上 憲作
井上 憲作

SNSIダイブガイドを2018年7月に取得。 海より山が好きと公言していたが、2017年ダイビングと出会い「どハマり」し、すっかり海好きになりました(笑)

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