コンタクトレンズをしたままダイビングをすることは可能です。ただ、いくつかの注意点もありますので解説していきます。

コンタクトをつけてダイビングをする時の注意点

注意点

  • 1Dayの使い捨てコンタクトレンズを使いましょう
  • マスククリアの回数を減らすための工夫をしましょう

1Dayの使い捨てコンタクトレンズを使う理由

なぜ1Dayの使い捨てコンタクトレンズを使った方がいいのか、そこにもはっきりと理由があります。

水中はコンタクトが外れやすいから

海やプールに潜ると、目とコンタクトの間に水が入り込むことで通常時よりコンタクトが外れやすくなります。

長期で使用できるコンタクトほど、1枚あたりのお値段は高めになってしまうもの。万が一外れた場合に備えて、1枚あたりの単価が安い1Dayコンタクトにしておくと良いでしょう。

特にハードコンタクトレンズは外れやすいので注意です。また、予備のコンタクトを持っていくことも忘れずに!

海水に触れると細菌が付着する可能性があるから

海水やプールの水がコンタクトに付着することで、同時に海水やプールにいる細菌も付着します。
そのままコンタクトを装着していると、充血や角膜の損傷等につながる可能性があります。
潜る際は1Dayコンタクト、翌日以降は新しいコンタクトにすることで、このリスクはぐっと軽減することができます。

コンタクトが変形しやすいから

コンタクト保存液が手元にないときに、水道水で保存したら翌日コンタクトがぶよぶよになって使えなくなっていたこと、ありませんか?これと同じ理由で海水が付着するとコンタクトの変形が起きてしまうのです。

浸透圧が異なると、濃度が薄い液体が濃度の濃い液体のほうに流れます。つまり、

水(塩分濃度0%)

コンタクト(塩分濃度0.8%)

海水(塩分濃度3.5%)

水はコンタクトに水分を奪われます。そのためコンタクトを水に浸けると、コンタクトが水分を吸収してぶよぶよに拡がってしまいます。

同様に、コンタクトは海水に水分を奪われます。コンタクトは干からび、しわしわに変形してしまうのです。

変形したコンタクトを装着し続けると、目への負担は相当かかります。ゴロゴロした感じや、角膜の炎症、眼球に張り付いてとれなくなる、最悪の場合は失明、など…かなりのリスクが伴います。

1Dayコンタクトを使用し、翌日以降は新しいコンタクトに切り替えることで、このリスクも抑えることができます。

マスククリアの回数を減らすように工夫しましょう

マスククリアとはマスクの中に海水が入ってしまった時に、海水をマスクから追い出すスキル。ライセンスを取得する時のオープンウォーター講習で教わる基本スキルです。

マスクに水が入ってしまうと、目に水が入ってしまう可能性も一気に上がりますよね。コンタクトが外れる、海水中の細菌が目に入るといったリスクを少しでも減らすために、マスククリアの回数を減らす工夫をしましょう。

  • マスクが曇りやすいなら
    曇り止めをしっかり行いましょう
  • マスクのサイズが合わず、水が入ってきやすいなら
    顔に合ったマスクに変えましょう
  • 鼻呼吸をしてしまい、水が入ってきやすいなら
    口呼吸を徹底しましょう

また、講習でマスククリアのスキルを練習する時には、あえてマスクの中に水を入れて練習しますので、マスククリアのスキル練習の際には、コンタクトレンズは付けない方が良いでしょう。

ダイビングにぴったりのコンタクトレンズはどれ?

使い捨てコンタクトレンズにも色々な種類がありますが、1Day&シリコーンハイドロゲルのコンタクトにすることをおすすめします。

シリコーンは裸眼並みに酸素を通す!

コンタクトをつけたまま寝てしまったこと、ありませんか?目を閉じたままなので酸素が行きわたりにくいため、目覚めたときに痛かったり不快だったりしたことでしょう。
酸素透過率が高いと、目に酸素が行きわたる率が裸眼に近くなるため、こういったトラブルが起きにくいのです。

シリコーンは酸素が溶けやすい素材なので、酸素透過率がとても高いんです。通常のソフトコンタクトの一般的な酸素透過率だと、だいたい裸眼の80%の酸素透過率。これは裸眼で標高約2000メートルにいる状態とほぼイコールなんです!目が酸欠状態になり、疲れやすくなったり、痛みが出たりします。ダイビング中にパニックにならないためにも、少しのリスクでも軽減しておきたいものです。

シリコーンハイドロゲルのコンタクトは、普通のコンタクトの2.5~6倍の酸素透過率を有しています!違和感等も起きにくいので、トラブルを回避するためにもおすすめです。

ハイドロゲルは目の潤いが持続しやすい!

ダイビング中は、通常よりも身体の水分が不足しやすい状態です。

水分が不足しやすい理由

  • タンク内の空気が(圧縮の過程で)乾燥している
  • 汗などで水分を失いがち
  • 海水を飲むと、体内の水分が海水に奪われる

身体の水分が不足するのと比例して目の水分も不足し、目の渇きにつながります。これを少しでも解消するために、ハイドロゲル素材のコンタクトを選ぶことをおすすめします。ソフトコンタクトは保存液や涙によって水分吸収をしますが、ハイドロゲルなら素材そのものに大量の水分を含有できるため、乾燥にも強いと言えます。

1Day&シリコーンハイドロゲルのコンタクト一覧

1Dayかつシリコーンハイドロゲル素材のコンタクトは、2017年9月時点で4種類発売されています。比べてみたので、参考にしてみてください!

商品名 メーカー 酸素透過率
デイリーズトータルワン アルコン 156
ワンデーアキュビュートゥルーアイ ジョンソンエンドジョンソン 121
ワンデーアキュビューオアシス ジョンソンエンドジョンソン 118
MyDay クーパービジョン 100

コンタクトのかわりに度付きマスクを使う方法も

ダイビングはどんなに小さくとも、ストレスを一つ一つ無くしていくことが重要です。
コンタクトが外れるかも?海水が目に入って痛みを感じるかも?といった、コンタクトが心配でストレスが増えてしまうようなら、度付きマスクを使うという方法もあります。

ただ、度付きマスクは片方で約1万円、両目で約2万円と価格が高いことがネックです。多少視力が悪い程度の方は度なしマスクでも大丈夫の可能性がありますので、一度試してみましょう。

また、体験ダイビングやシュノーケリングを楽しむときも、度付きマスクのレンタルがあるかもしれませんので確認してみましょう。


Cカードの取得講習では、水中でマスクを取って装着し直す「マスク脱着」や、マスクの中にわざと水を満タンにして行うマスククリアのスキル練習をする場合もあります。

実は水中でマスクがないこと、つまり水中での視界不良のストレスは、自分が思っている以上に大きなストレスになります。

ただでさえ初心者のうちは、潜行や中性浮力などのスキルが安定せず、様々なストレスを抱えていますので、スキルが安定してストレスが軽減されてからコンタクトデビューでも遅くありません。

コンタクトでダイビングをしたい人は、まずは担当のインストラクターに相談してみましょう。

もっと知りたい!続けてお読みください

この記事を書いた人

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    SNSIダイブガイド。2018年中にインストラクター予定。 鹿児島の離島、徳之島で晴れの日はクジラとカメを追い、雨の日はWebコンサルティングを行う。

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