スキューバーダイビング(体験ダイビングも含みます)やシュノーケリングは泳げなくても楽しめます。クロールで25m泳げなくても大丈夫。平泳ぎや立ち泳ぎなどができなくても大丈夫です。
その理由について詳しく解説します。
泳げない理由とダイビングが泳げなくても大丈夫な理由
筆者はスキューバダイビングのプロライセンスを持っていますが、25mをクロールで泳ぎ切る事はできません。泳げないのです。そして、泳げない人には「泳げない理由」があります。
その「泳げない理由」をひも解いて、スキューバダイビングやシュノーケリングでどうするのかを知れば、ダイビングで泳げなくても大丈夫だという事が分かるはずです。
泳げない理由1:水面に浮かぶことができない
水泳ではまず水面に浮かぶ練習から始めます。水面で浮かぶためには姿勢が大切、体一直線に伸ばすようにしましょうと、学校の水泳の授業で教わらなかったでしょうか。
水泳では水着を着て「水面に浮かぶこと」が重要で、水面に浮かばなければ泳げないのです。
スキューバダイビングでは何もしなくても身体が浮かびます
スキューバダイビングは、水中に沈んで楽しむスポーツです。
もちろん水面で船を待つ事などもありますが、BCDという空気を自由に出し入れできる器材を着ていますので、水面で浮かびたい時にはBCDに空気を入れれば良いのです。
また、ダイビング時に着るウェットスーツやドライスーツは生地の中に気泡が入っており強い浮力があります。その浮力は、器材を身につけていてもウエイトでさらに重くしないと沈まない程です。
スキューバダイビングでは勝手に浮かぶので、いかにして沈みやすくするかが重要なのです。
シュノーケリングの場合
シュノーケリングでも、ウエットスーツやライフジャケットなどを着て勝手に体が浮くくらいの浮力を確保して遊びます。水泳のように正しい姿勢を取っていなくても沈みません。
泳げない理由2:息継ぎがうまくできない
泳げない理由の中でも息継ぎが苦手…という人は多いのではないでしょうか?私も息継ぎが超ニガテです…。
息継ぎは「息を吸う事よりも吐き切ること」が重要だと教わると思います。息を吐き切っていないから自然に息が吸えないという事なのです。
そして呼吸ができない水中では、息継ぎできないと泳げないのは当たり前ですよね。
スキューバダイビングでは息継ぎが不要です
スキューバダイビングは、水中で呼吸をするための器材を持って遊びます。
背中に背負ったタンクには30分~1時間程度は呼吸ができる量の空気が入っており、口にくわえるレギュレーターという器材を通して陸上と同じように呼吸します。
ただ水泳の息継ぎで大切な「息を吐き切ること」は、水中で呼吸をするスキューバダイビングでも重要です。
息を吐き切らないと自然に息が吸えないので、浅い呼吸になって酸欠になってしまったり、タンク内の空気の持続時間が短くなってしまったりします。
ダイビングライセンス講習では、水中での呼吸方法や呼吸のコツなども教えてもらえますし、水深の浅いプールでたっぷりと練習できますのでご安心を。
シュノーケリングの場合
シュノーケリングではスキューバダイビングのようなタンクを背負ったりはしませんが、水中を見ながら呼吸をするためのシュノーケルを着けて遊びますので、水泳のような息継ぎは全く必要ありません。
最近のシュノーケルには、口に合わせて位置が調整しやすい蛇腹タイプや、筒が顔の形に曲がっているラップアラウンド型、水が入りにくいドライトップなどの便利なオプションが付いているものもあり、初心者でも扱いやすくなっています。
泳げない理由3:なかなか前に進まない
水泳では手と足を効果的に使って「水を蹴って」前に進みます。
泳げない人は水を蹴っているのではなく、水面から上の空気を蹴っているから前に進まないのです。
前に進まずにバタバタしていると、そのうち息継ぎも上手くできなくなって身体が沈んでいく…というのが、泳げない典型的なパターンのように思います。
スキューバダイビングは足ひれ(フィン)で簡単に前に大丈夫
スキューバダイビングは、足ひれ(フィン)を履いて遊びます。
フィンを履いている場合、水泳のバタ足とは違って「腿から下の足全体」をゆっくりと動かすだけで前に進みます。
さらにダイビングは水中に沈んで楽しむスポーツなので360度周囲は全部水です。水泳のように水面を蹴ってしまって前に進まないという事は絶対にあり得ません。
変なフィンの使い方をしたら上手に進まない可能性はありますが、ダイビングライセンス講習でフィンの使い方はしっかりと教えてもらえます。
シュノーケリングの場合
シュノーケリングでも足ひれ(フィン)を履いて遊びます。水面を移動するように泳ぐことはありますが、素足よりも遥かに水を蹴る力は強くなるので大丈夫です。
シュノーケリング教室に参加するとフィンを使って前に進むコツを教えてもらえますので、初めてシュノーケリングをするという方は参加してみましょう。
水泳が得意という人の方が問題が起きる場合も
スキューバダイビングを始める際に水泳が得意だという人の方が問題がある事もあります。
どうしても鼻呼吸してしまいマスクがよく曇る
水泳では「鼻で息を吐いて口から吸う」というのがセオリーですが、スキューバダイビングでは常に「口で息を吐き口で吸う」必要があります。
スキューバダイビングで鼻から息を吐いていると、どうしてもマスクが曇りやすくなってしまうのです。
水泳が得意だという人ほどつい水泳と同じ呼吸方法で息をしてしまって、なかなかその癖が抜けないという人もいます。
泳ぎに自信がある事が過信につながる
泳ぎには自信があるからスキューバダイビングも楽勝!とまで思っている人はいないと思いますが、ライセンス講習中に「これくらいなら大丈夫」という気持ちなのか、インストラクターの話をあまり聞かないのは水泳が得意な人が多い…という話も聞きます。
そういう点では泳げない人の方が水面/水中での危機意識が強く、安全な手順をしっかりと学ぶ傾向にあるのかもしれません。
スキューバダイビングはひとつひとつのスキルを丁寧に確実に身につけなくては、いつか大きな事故につながってしまう可能性があります。どんなに水泳が上手くとも、スキューバダイビングのスキルが上達しようとも過信は禁物なのです。
泳げない!以外のダイビングにまつわる不安
ソフトコンタクトレンズであれば可能です。
ただ水中でコンタクトがずれたりしても直せませんので、ダイビングを始めたばかりの頃はコンタクトを外してダイビングをして、ある程度スキルが安定した頃にコンタクトでのダイビングをした方が良いかもしれません。
ダイビング用マスクは度入りのレンズに交換することができますが、約2万円と安くはありません。
自分の場合はどうしたらいいのか、まずは担当のインストラクターの方に相談してみましょう。
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コンタクトでダイビングをしたい人のためのリスク軽減方法
ダイビングは身体の状態が影響しやすいスポーツです。
呼吸器、循環器、耳鼻咽頭の持病や高血圧、心臓病、てんかんなどの病歴がある人は、必ず医師に相談してからダイビングを行ってください。
そのほか、風邪をひいている場合や妊娠中はダイビングできません。
花粉症の場合も症状によっては耳抜きが難しいため、ダイビングができない場合もありますので、インストラクターに相談しましょう。
また、ダイビングは陸上で器材を背負ってからボートに乗りこんだり、ビーチへ移動したりしますので、腰痛持ちの方も背負ったときに腰痛が悪化しないように注意が必要です。
少しでも不安がある時には必ずインストラクターに相談してください。
ダイビングの指導団体によって少し規準が違いますが、子供は10歳から参加できるとしている場合が多いです。
年齢制限は特になく、70代でダイビングを楽しんでいる人も数多くいます。
ただ、高齢になればなるほど身体に不調が出てくる人が多いので、必ずしもダイビングができるというわけではありません。
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この記事を書いた人
- 井上 憲作SNSIダイブガイドを2018年7月に取得。 海より山が好きと公言していたが、2017年ダイビングと出会い「どハマり」し、すっかり海好きになりました(笑)