スキューバダイビングは器材依存型スポーツと呼ばれ、器材が安全性や快適さに大きな影響を与えます。
そこで、スキューバダイビングに必要な器材の種類や価格相場、購入とレンタルとの違い、器材購入の順番を詳しく解説しましょう。
スキューバダイビングに必要な器材と価格相場
まずはスキューバダイビングを行うために必要な器材とその価格相場について見ていきましょう。
とりあえずスキューバダイビングを楽しめる基本セットの種類と価格相場をご紹介します。
これらの基本セットだけで25万円~35万円くらいかかりますが、一度に購入せずに少しずつ買い揃えていくという人も多いようです。
器材を買った人、レンタルな人、どっちが多い?
器材を買った人はいくら使っている?
レギュレーター
相場価格:5万円~10万円
タンク内の圧縮空気を減圧してくれる器材で、水中で呼吸をする時に使う重要な器材です。水中でいかに安定した呼吸をするかでタンク内の空気の減り方も変わりますので、自分にあったものを使った方が良いです。
BCD
相場価格:5万円~10万円
水中で浮力を調整するための器材です。メーカーや機種によってボタンの位置や使い方などが微妙に違いますので、毎回違うBCDでスキューバダイビングをするとBCDの操作だけで手一杯になってしまうこともあります。また、自分の体にフィットしたものでないと水中でバランスを取ることも難しくなってしまいます。
マスク/スノーケル
相場価格:セットで1万円~1万5千円
マスクが顔にフィットしていないと、すぐにマスク内に水が入ってしまいます。視力矯正が必要であれば度入りのレンズに交換することもできます。
スノーケルは水面での休憩時やドルフィンスイムの時などでも使います。
ウェット/ドライスーツ
相場価格:5万円~10万円
体の保護と保温のためのスーツです。気温の高い夏場はウェットスーツ、冬場はスーツの下が濡れないドライスーツを利用します。既製品のスーツも販売されていますが、体にフィットしていることが大切なので、オーダーで購入する人も少なくありません。
フィン
相場価格:1万円~2万円
水中で泳ぐ時に必要な器材です。大きく分けるとかかとまで覆うフルフットフィン、ベルトで止めるストラップフィンの2種類があり、水をかくブレードの長さによっても複数の種類があり様々です。体力を消耗せず効率よく泳ぐために、自分のスキルやダイビングをする場所などによって選びましょう。
ウェイトベルト
相場価格:千円~1万円
浮力を調整するために使うウェイトを腰に巻くために使う器材です。普通のベルトのような形状をしたものから、ポケットのついたベルトまで様々な種類がありますが、ポケットのついたウェイトベルトはウェイトが直接腰に当たらないので楽です。
グローブ/フード
相場価格:合計1万円前後
怪我の防止と保温のための器材です。素手で岩につかまると思ったよりも指先が切れてしまいますので、水温が温かい時期でもグローブは必須です。サイズや色、素材など様々な製品が売られていますので、スーツやフィンとのコーディネートも意識して選ぶと良いでしょう。
ブーツ
相場価格:5千円前後
これも怪我の防止と保温のための器材です。ダイビングは器材一式を身に着けてボートの上や岩場などを移動することがあります。ダイビングブーツは靴底がゴム製なので、足にフィットしたブーツを履いていれば、転倒して怪我をする可能性も低くなります。
ダイブコンピューター
相場価格:4万円~7万円
ダイビングを開始してからの経過時間や現在の水深、いまの水深にあと何分いられるのかなど、様々な情報を得られる器材です。時計のようなタイプが主流です。色や形、サイズなど様々な製品がありますが、機能に大きな差はありません。またダイブコンピューターはレンタルができないので、最初に購入する人が多いようです。
メッシュバッグ
相場価格:3千円~4千円
ダイビング器材一式を濡れたまま収納できるバッグです。底が網状になっていますので、濡れたままの器材でも水がバッグの中にたまることはありません。
ダイビングの器材「購入した人」と「レンタルの人」どっちが多い?
スキューバダイビングを楽しんでいる人のうち、どのくらいの人が自分の器材を購入しているのでしょうか。
ダイバーの方にアンケートをとってみました。
調査地域:全国
調査対象:20代~50代のダイビングライセンスを取得している男女
有効回答数:90サンプル
調査時期:2019年9月
今回のアンケート調査では、ダイビング器材を購入していない人の方が多い結果になりましたが、器材を購入していない人のほとんどはダイビングを始めたばかりの人でした。
「器材をそろえるほど行くかまだわからないと思ったので購入しませんでした」といった意見が多く、まずはレンタル器材でダイビングを楽しんで、趣味として続けていくようであれば購入を検討するという人が多いようですね。
その証拠に、比較的ダイビング本数が多い人は何らかの器材を購入しているようです。
レンタル器材で困ったことはあるか聞いてみた
レンタル器材は「自分にフィットした器材を使えるとは限らない」「操作方法が違う器材を使わなくてはいけないかもしれない」といったデメリットがあると言われていますが、実際にレンタル器材でダイビングをしている人はどう感じているのでしょうか?
ただ、毎回サイズを合わせて使い方を確認して使用するのは面倒です。(30代・女性)
ただ、自分に合っていない器材を使用しなければいけない状況があるので困ったことはあります。(20代・男性)
ただ、レンタルだと若干サイズがあっていないのか、水が入ってくるなど、少し不便に思ったことがありました。(40代・女性)
レンタル器材を使用している人の多くは、サイズが合わずに困ったり、誰かが使ったものを使うことに抵抗感を感じているようです。
やはり、ダイビングを続けていくなら、自分のサイズにあったもの、誰かが使ったものではなく自分専用の器材を購入た方がストレスが軽くなるのでおすすめです。
器材を買った人はいくら使っている?
それではスキューバダイビングの器材を購入した人はいくらくらい使っているのでしょうか?
器材を購入した人に、器材購入に使った金額を聞いてみました。
調査地域:全国
調査対象:20代~50代のダイビングライセンスを取得している男女
有効回答数:90サンプル
調査時期:2019年9月
ダイビング器材を購入した人の約半数が器材に10万円くらいのお金をかけているという結果になりました。
まずはフィンやマスクといった軽器材から購入する人が多いようです。
特にマスクは自分の体にフィットしていないと水がマスク内に入りやすいうえに、誰かが使ったものが嫌だという意見も多くありました。
ウェットスーツなどのスーツも体に密着する器材なので「誰かが使ったレンタル品は嫌だ」という理由で購入する人も多いようです。
ダイビングの器材を揃えるおすすめの順番
アンケートの結果では、フィンやマスク、ウェットスーツなどから買い揃えていく人が多かったのですが、ダイビング器材をまとめてで購入しない場合はどの器材から購入していけばいいのでしょうか。
おすすめの購入順を解説します。
ダイビング器材のおすすめ購入順序
- マスク(スノーケル)とフィン、余裕があればダイブコンピューターも
まずは自分の顔にフィットするマスクの購入が良いでしょう。マスク/フィン/スノーケルがあれば旅行中にスノーケルで遊ぶこともできます。
ダイブコンピューターは安全にダイビングを楽しむために必須とも言える器材なので、予算に余裕があればダイブコンピューターも購入しておいた方が良いですね。予算の目安
3万円~4万円(ダイブコンピューターを含めると7万円前後) - ウェットスーツなどのスーツ類
身体に密着するスーツ類は自分専用のものを買っておくと良いでしょう。スーツ類はできるだけ自分の身体にフィットしている方が快適ですので、既製品より少し値段は高くなってしまいますが、オーダーで作ることも検討してみましょう。オーダーで作れば、色やデザインもある程度自分好みにできます。予算の目安
5万円前後(オーダーだと7万円~10万円前後) - BCDとレギュレーター(メッシュバッグも)
重器材と呼ばれるBCDやレギュレーターは値段も高い器材ですが、しっかりとしたものを大切に使えば10年以上は使えると言われています。レギュレーターは年に1回くらいのペースで定期的なオーバーホールが必要ですので、購入したショップなどに確認しておきましょう。重器材にも中古品がありますが、整備不良は命取りになってしまう可能性がありますので、よほどの事がない限り新品で購入しましょう。予算の目安
10万円~20万円
もしダイビングをしていて寒さを感じるなら、ダイビング用フードも早い段階で購入しておいても良いでしょう。
もちろん予算に余裕があれば、ダイビング器材はまとめて購入した方が良いです。
特にダイビングを始めて間もない時期に一式で購入できれば、ダイビングスキルの上達も早くなるはずです。
まとめて購入すると割引してくれるダイビングショップも多いので、これからもダイビングを続けていく気持ちがあるなら一式で購入してもいいでしょう。
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この記事を書いた人
- 井上 憲作SNSIダイブガイドを2018年7月に取得。 海より山が好きと公言していたが、2017年ダイビングと出会い「どハマり」し、すっかり海好きになりました(笑)