ダイビングを始めるにあたっていちばん重要かつ、本当に難しいのがショップ選び。でもWebを見ても説明会に行ってもどう見極めるべきかわかりにくい。。

そこで今回は中立の立場として、チェックリストをご用意しました。都合のいい情報も悪い情報も、全てお伝えしちゃいます!説明を聞きに行く際はぜひ活用してみてくださいね。(チェックリストのPDF版ダウンロードも可能です)

【最優先】安全・自立・信頼

ダイビングをするにあたって最も大切なことはたったひとつ。事故に遭わず、無事に帰って来ることです。そのために、以下の3つは欠かすことができません。

  1. 【安全】必要なスキルと経験を積ませてもらえるか
  2. 【自立】自分でストレスに対処できるようになれるか
  3. 【信頼】インストラクターに命を預けられるか

こう書くと少し重く聞こえるかもしれませんね。でも、とても大切なことなんです。
というのも残念ながらダイビングの事故は毎年数回起きています。事故の最大の原因は当人のスキル不足と経験不足。これに尽きます。

ほとんどの場合、最初に取得する資格であるオープンウォーターライセンスは、いわゆる 「よちよち歩き」レベル。ダイビングを楽しむにはまだまだ程遠いのが現実です。プロから見たらちょっとしたトラブルでも、よちよち歩きのダイバーにとっては大パニックになるほどのトラブル、ということも・・・このままのスキルだと、いつまで経っても親離れできない(≒いつものショップじゃないと怖い)のは想像がつくかと思います。(残念ながら親離れさせないほうがいつまでも利益になると考えるショップが多いのがこの業界・・・)

だからこそ、オープンウォーターを取得したあとにどんなスキルアップの機会があるかを確認しておくと安心です。可能であれば、ショップを利用しているダイバーの何割がどんなスキルアップを行っているか聞けるとより良いですね。

スクール型を選ぶことの大きなメリット

ダイビングショップを大きく分けると、都市部に店を構えている「都市型」と、ダイビングポイントに店を構えている「現地型」の2つに分類されます。
先にお伝えした通り、ライセンスを取り立てのころは「よちよち歩き」状態。親離れするには不安が残る方がほとんどです。だからこそ現地型ショップでライセンスを取得してしまうと、なかなか同じショップで潜る機会を設けられずスキルアップにつながらないことが懸念されます。

じゃあ他の現地型ショップでスキルアップすればいいじゃない、と考えるかもしれませんね。花形サービスを比較してみましょう。

  • 都市型:講習 > ファンダイビング > 体験ダイビング
  • 現地型:ファンダイビング > 体験ダイビング > 講習

現地型のいちばんのサービスはやっぱりファンダイビング。リピーターづくりのためにサービス重視することがほとんどです。ここでいうサービスとは「気持ちよく帰ってもらう」こと。つまりダイバーが下手くそでもほめてくれるちゃうんです・・・

こうしていわゆる「リゾートダイバー」はかなりの本数潜っていても下手なまま、という図式が醸成されます。

だからこそまずは「都市型」のショップ(というよりスクール)で講習を受け、コンスタントに潜るようにしましょう。よちよち歩きから一人前のダイバーに成長してから「現地型」ショップでファンダイビングをおもいっきり楽しむことをおすすめします。そのほうが現地型ショップも上級者ポイントに連れて行ってくれる確率も上がりますよ!

【重要】お金の話は明確にしておく

ダイビングはそこそこお金がかかるスポーツ。でもショップによってかかる金額は結構ピンキリです。この辺りも明確にしてからショップを決めたいところ。

できれば先に、そんなに魅力的に思っていないショップの説明を2~3件聞いてから、本命のショップに聞きに行くのはいかがでしょうか。自分の中で比較材料を用意してから聞くと、明確にさせたい項目もはっきりしやすくなりますよね。(本ページの最後にも項目は記載しておきます!)

雰囲気や距離、指導団体は二の次

このあたりの項目が、Web上では重視すべきポイントとして記載されていることが多いようです。たしかに大切なことですが・・・極論、死ぬよりマシですよね。なのでここでは二の次とさせて頂きました。

雰囲気&イベント

お店に先輩ダイバーがいたら、声をかけてみるのがいちばん。参加者の声を直接聞くことで、雰囲気はつかみやすくなります!
それと、冬は何をするのか聞いてみましょう。潜るショップもあれば、飲み会やスキー・スノボに興じるショップも。個人的な所感ですが・・・冬も潜るショップのほうが、本気度が高いように感じます。というのも冬のほうが透明度が高いし、ドライスーツにカイロを貼れば寒さ対策もできるし、何よりリゾートダイバーが潜らないので海が空いてますよ。
サークル感覚で楽しみたかったり、友達づくりをメインにしたい場合は、飲み会等のイベントに積極的なショップを選ぶのもひとつの手ですね。

距離&送迎

ショップの所在地から自宅(もしくは会社)の距離があまりにも遠いと、それだけで大変。通いやすい位置にあるといいですよね。
ショップによってはお店近辺に夜集合、翌朝からダイビングするタイプのツアーがほとんどなことも。(ポイントが遠い、早朝のほうが海の状態が良い、早朝は魚が活発に動く、などの理由ですね。)夜集合の場合、仕事帰りにダイビングに行く可能性もあるので、集合時間と場所に間に合うかどうかも確認しておくと安心です。
都市型ショップのほとんどがお店からの送迎つき。現地型ショップはホテルや最寄り駅まで迎えに来てくれるパターンが多いですね。特に運転が厳しい場合は送迎については要チェックです。

施設・設備

ダイビングプールを所有している!船を持っている!・・・その分維持費もかかりますよね?必要な時に必要なだけ、提携しているショップ等からお借りするほうが意外と安いのかもしれません。

指導団体

ダイビングライセンス(=Cカード)を発行できる団体のことを指導団体といい、PADI・NAUI・SSI・SNSIなどが有名です。一度取得してしまえば全世界で潜れることがほとんどですが、ごく稀にあまりにもマイナーな指導団体だと使えない場合があります。ということでまずはCカード協議会に加盟しているか確認することをおすすめします。

そのうえでどの指導団体を選ぶか。個人的には「どの指導団体を選ぶかより、どのショップ・指導員を選ぶかのほうが大事だよ!」と言ってくれるショップがおすすめします。
各団体の指導要領は最低限超えるべきボーダーラインについて提示しており、+αの指導をしてくれるかどうかは店の方針によるのです。自分がまったく潜れなかった場合のリカバリー施策があるかどうかや、ライセンス取得講習で潜る時間の長さなどで推し量るのがベター。

ちなみに業界最大手の指導団体であるPADIは指導要領が統一されています。つまりお店による違いも(基本的には)なく、最初からうまいダイバーにも、技術が心配なダイバーにも、同じ指導をするということ。捉え方次第でメリットにもデメリットにもなるでしょう。

指導力が高いと噂の新団体「SNSI」については以下をチェックしてみてください。

Webサイト

Webサイトが美しくわかりやすいのは、9割がWebのプロに発注したから。もっと言えば新規顧客がほしいからです。既存顧客を大切にしているかどうかは、残念ながらWebサイト上ではほぼ測れないのが実情。お客様の声を載せていても、都合のいい情報だけ抜き出して記載しているかも?逆に大手掲示板での書き込みも心無いひとりのしわざかもしれません。

ではどうすべきかというと、やっぱり自分の目で・足で得た情報で判断すべきでしょう。Webなどでアタリを付けたら、ぜひショップに行ってみてください。どうしてもいけない場合は電話やメール等でアプローチしてみましょう。
最低限、Web上で匿名性を確保しているかは見ておいてもいいかも。リテラシーは欲しいですね。

ショップのチェックリスト

重要度が高いものほど★が多くなっています。★3つは命に関わります!必ずチェックしてくださいね。PDF版のダウンロードもできます。

重要度 確認事項
講習
★★★ 講習で全然潜れなかったときにどんな対応してくれるか、
追加費用かかるか(都市型ショップだと○)
★★★ 体調面での不安や泳力などの相談ができたか、どんなカバーをしてくれるか
★★★ プール・海洋実習でのダイビング本数(計4~8本程度)
★★★ 講習を担当するインストラクターの実績
(認定人数など。年数だと所有しているだけの時間で測ってしまう)
★★★ プール・海洋実習での1本あたりのダイビング時間(15分~60分程度)
★★★ 講習(ツアー)の最大参加人数とインストラクターの人数
(講習は4:1、ツアーで8:1以上であれば目が行き届かない可能性あり、
最悪遭難(ロスト)しても気づかれないかも)
★★ オープンウォーターライセンス取得後、
どんなフォローアップ講習が用意されているか
★★ 講習にボートダイビングは含まれているか
ツアー
★★ 送迎はあるか、どこからどこまでか、有料か
★★ 冬も潜るのか、ウィンタースポーツや飲み会重視か
普段潜るポイントはどこか
大型ツアーはどんなポイントで潜るか
どのくらいの頻度で組まれているか、
参加しやすいスケジュールか、予約はとりやすいか
どんな設備が整っているか(船やプールを所有など)
お金
★★ 講習費の総額を確認したか、追加費用・オプションはないか
(教材、学科・プール・海洋実習、器材購入orレンタル、保険、
施設使用料、宿泊費、送迎費、ライセンス申請費)
★★ 初期費用(オープンウォーター講習、器材購入等)や
ツアーの平均料金、入会金・年会費の有無など
★★ 他店と比べて費用が高い/安い理由を聞けたか、納得できたか
★★ 器材を無理に購入させようとしていないか、
購入を勧める場合は納得ができる内容・料金か
今すぐ買わない場合の弊害はあるか
器材を購入する場合、保管サービスはあるか
指導団体
★★ 指導団体がCカード協議会に登録されているか
★★★ 【PADI】以下のサイトに名前が載っていないか
PADIから永久追放されたプロダイバー(過去5年間)
PADIから永久追放されたショップ(過去5年間)
※日本語対応していないページなので、
「Japan」などサイト内検索すると早い
★★★ インストラクターを育てられるほどの技術があるか
【PADI】5スターID○○(各地域の地図 黄色アイコン)
【NAUI】プロプラチナ・ゴールドスクーバセンター
【SSI】Instructor Training Center
雰囲気
★★★ 不安な点をすべて解消できたか、
命を預けられるほどの信頼はできたか
★★ 他のダイバーの様子を確認できたか、話せたか
他のダイバーについて聞けたか(年代、ひとり参加割合など)
Webサイト
★★ Webサイトがあるか、わかりやすいか
★★ 他店との違いを資格や数字で表しているか
日々のツアー状況をブログ等で提示しているか、
参加者の匿名性は守られているか

もっと知りたい!続けてお読みください

この記事を書いた人

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    SNSIダイブガイド。2018年中にインストラクター予定。 鹿児島の離島、徳之島で晴れの日はクジラとカメを追い、雨の日はWebコンサルティングを行う。

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