ダイビングを楽しむには必須のスキルであるバディシステム。 ライセンス取得時に学んだものの、自分のことで精一杯でバディのことまで気にすることが出来なかった方も多いのではないでしょうか。改めてバディシステムの意味やメリット、どんなところをチェックすべきか確認してみましょう!

バディシステムの意味は「仲間と共に潜ること」

バディシステムとは、仲間(buddy)と共に潜ることを指します。2人でペアを組んで潜ることで、以下の利点を得ることができます。

簡単さ・素早さの向上
自分一人では気付きにくい問題や、解決に時間がかかることも、バディがいれば簡単に&すぐに解決することができます。たとえばウェット・ドライスーツ着用時にチャックを閉めてもらったり、BCDを背負う際にバディにタンクを支えてもらったりすることが可能になります。
安全性の向上
安全かどうかを互いにチェックしあうことや、緊急時に助け合うことで、安全性はぐっと向上します。水中でバディの体調・残圧・水深などを確認しあったり、空気がなくなった際にバディから空気を供給してもらったりすることができます。
楽しさ・スキルの向上
いくら美しい海の写真や動画を見ても、実体験には敵わないもの。素晴らしい体験を共有できる仲間がいるのはダイビングの醍醐味のひとつです。また、インストラクターよりも身近な存在であるバディから学ぶことも多いはず。スキルアップの機会として活かしてみましょう。

バディの相手はスキルレベルを重視して決めよう

以下の優先順位でバディ相手を考えることをおすすめします。

  1. スキルレベル
  2. 仲の良さ
  3. 体格が自分と近い

初心者同士で組んでしまうと、助け合えない可能性が高まりストレスも増えてしまいます。初心者のうちはベテランやプロダイバーと組むと良いでしょう。上手な人と潜るとスキルアップ速度も早まりますし、なにより安心感が違うのでストレスも軽減されます。逆にベテランは積極的に初心者と潜ることをおすすめします。初心者がどんなところにストレスを感じているのか把握し解消することは、自身のストレス軽減につながります。どんな人とバディを組んでもストレスがない状態はまさにベテランと呼べるでしょう。

また、初対面の人と潜るよりは気心が知れた仲間と潜るほうが気持ちもラクですよね。ストレス軽減にもつながります。

体格が近いと、緊急時にバディを担ぎ上げたりすることが容易になる場合があります。(とはいえどんな体格のバディでも助けられるだけのスキルがあるべきですが)

バディシステムのポイント

実はダイビング中よりも、ダイビング前の確認が大切です。トラブルが起きてから「確認しておけばよかった…!」では遅すぎるのです。水中よりもコミュニケーションが取りやすい陸上にいるうちに、不安材料はなくしておきましょう。

これから記載する確認事項は、バディである相手に対して確認するのはもちろん、自分に対しても確認し、なるべく多くの情報をバディと共有するようにしておくと安心です。

ダイビング前に確認すること

ここではブリーフィングで確認すること以外に重点を置いて解説します。

どんな人なのか

初対面の場合は、それだけでストレスがかかるもの。事前になるべくコミュニケーションをとり、打ち解けておくとお互いのストレス軽減につながります。また、「リーダータイプ」「周りに気を遣いがちなタイプ」などの性格も理解しておくと、どんなことにストレスを感じやすいのか、どんなリスクが懸念されるのか予想することが出来ます。

体調

風邪気味・花粉症・二日酔い

耳抜きしにくい可能性があります。潜行はいつもよりゆっくりめにしておきましょう。

船酔い

アネロンを飲むなど、事前に対策出来ることがあります。

薬を飲んでいる

どんな副作用が起きるかわかりません。インストラクターに伝えておきましょう。

スキルレベル

  • ライセンスのランク、潜った本数など
  • 不安なスキル(耳抜き、潜行、中性浮力、エアの消費量が激しいなど)

これらの情報から、バディがどんなストレスを持っているか/持ちそうかを事前に想定しておくことが大切です。想定しておくだけで、緊急時に自分が焦らずに対処できる可能性がぐっと上がります。エアの消費量が激しい場合は空気供給の手順を確認しておきましょう。

器材の扱い方

バディの器材が自分の器材と異なる種類・メーカーである場合、扱い方を確認しておきましょう。特にBCとウェイトに関しては緊急浮上時に相手の器材を操作することになります。万が一の時に慌てないように、事前に確認しておくことが重要です。

器材の装着

必要に応じて、バディが器材を背負う際に、タンクを持ちあげて手伝います。

また、タンクの栓が開いているか、マスクのスカートに髪の毛が挟まっていないかなどの最終チェックをお互いに行います。

ダイビング中に確認すること

体調

特にエントリー・潜行・浮上時は注意して観察するようにします。耳抜きが出来ているか、バテていないかなどを確認しましよう。また、レギュレーターから出る泡が不規則だったり大きすぎる場合は何かしらのストレスがある場合があります。

目を見開いている(瞳孔が開いている)場合、呼吸トラブルからパニックに発展する可能性があります。早めにバディに近寄り、ゆっくり深く呼吸することを指示しましょう。また、呼吸パニックになると自分のレギュレーターを奪いに来る可能性があります。相手の後ろから近づくなど、自分の安全を第一に考えて行動しましょう。

こういった体調の変化を早期発見をするためにも、初心者は表情が見えやすいマスクを選ぶことをおすすめします。

バディの位置

バディの位置を確認することで、ロスト(見失うこと)や急浮上を防ぐことが出来る可能性が格段に上がります。すぐに助けに行ける位置にいるとGood。視界が悪い時はなるべく近寄っておきましょう。

残圧

10分に1回程度、お互いの残圧を確認します。基本的に残圧が70になった時点でバディに報告し、バディからインストラクターに伝えるようにします。(安全停止や水面で待機する時間を考えると、残圧70の時点で報告しておく必要があります。周りに遠慮して残圧を伝え損ねることは、事故につながりかねません。)

ダイビング後に確認すること

体調

耳や頭に痛みはないか、顔色は悪くないかなど確認しましょう。体調が思わしくない場合はインストラクターに相談し、対応策を確認すると良いでしょう。

感動の共有

これがバディシステムの醍醐味です!見た魚や美しい光景などの感想を共有できる仲間がいると、楽しさが何倍にも拡がりますよね。写真や動画などを撮って共有するのもおすすめです。

まとめ

バディがいると安全性はもちろん、楽しさもぐっと向上します!ただし、バディシステムが機能するためには、ダイバーそれぞれが自己管理できる必要があります。スキルアップに努めていきましょう。

バディシステムをきちんと守れるようになれば、ガイドなしのダイビングが出来るようになる日も近いかもしれません!

もっと知りたい!続けてお読みください

この記事を書いた人

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    SNSIダイブガイド。2018年中にインストラクター予定。 鹿児島の離島、徳之島で晴れの日はクジラとカメを追い、雨の日はWebコンサルティングを行う。

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